3本ローラーについて

3本ローラーによるトレーニング

基本的にトレーナーは,いかに自転車を速く走らせることができるかという目的のための道具です。一般的な後輪固定式トレーナーや3本ローラーもその目的のために作られていますが,それぞれが得意とする分野は異なります。

後輪固定式トレーナーでの練習目的は,脚力を鍛えることと心肺機能を高めることにあります。上り坂をいかに速く長く走れるかという目的などのため,負荷をかけたトレーニングを行ないます。
しかし脚力を付けることばかりに注意を向けすぎると,いつの間にかただ踏み下ろすだけのペダリングの癖が付いてしまうこともあります。やはりペダリングは「回す」イメージを忘れてはいけません。

反面3本ローラーでは,脚など部分的な強化ではなく,ライディング技術という総合的なスキルを磨くことに重点を置いたトレーニングを目的としています。正しい乗車姿勢や効果的なペダリングテクニックにより,長距離を疲れず速く走るノウハウが習得できます。
最終的に3本ローラー上で手放し運転ができるほどになれば,実際の路上走行においてもふらつきのない安定した走行ができ,また持てる力を最大効率で路面に伝えることができることにより,結果的に速く走れるようになります。

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3本ローラーの最大のメリットは,その自然な乗車感にあります。
車体ががっちりと固定されてしまっている通常のトレーナーでは感じることのできない,小刻みに左右に自転車を揺らしながらバランスを取りつつ走るという自転車本来の乗車感は,やはり3本ローラーでないと味わえません。

また3本ローラー上ではハンドリングは自然とかなりクイックなものに変化するため,よほど正しくサドルの真ん中にきちんと座り,ハンドルには力を加えず手を添えるだけという基本乗車姿勢を守らないと,すぐにふらつき始めてしまいます。
つまり3本ローラー上でふらつきなく乗れるということは,すなわち実際の路上においても無駄な動きを最小限に抑えた理想的なライディングが可能になっているということなのです。
3本ローラーはそのような総合的スキルを磨くためのトレーニング機材として最適です。

3本ローラー上の自転車は何にも支えられていません。ただ回転するホイールが発生するジャイロ効果により直立しようとする力のみで立っているだけです。
そのためいざバランスを崩すと,自転車はいとも簡単にローラーから逸脱し落車してしまう危険は常につきまといます。慣れればどうということのないものですが,それが3本ローラー初心者を阻む壁になっていることも事実です。

また常にバランスを小刻みに取り続けなければならないため,トレーニング中はいっさい気が抜けません。トレーナーのようにテレビを観たり上体のストレッチ運動をすることも難しいです。慣れれば手放しも可能ですが,基本的に一定のポジションまま持続していかなければならないため,疲労が1箇所にだけ集中してしまうこともあります。

しかしそれを上回る「乗る楽しさ」が3本ローラーにはありますし,飽きの来ないトレーニングは長続きできる秘訣とも言えます。

またさらに,3本ローラーでは固定式トレーナーとは異なり,無理にタイヤに負荷抵抗をかけることをしていないため,タイヤの摩耗が少ないというメリットもあります。
レース前のアップなどでは,固定式トレーナーではタイヤ摩耗を嫌ってわざわざ練習用タイヤに付け替えて使用しますが,3本ローラーでは決戦用タイヤのまま使用することができます。

3本ローラー上でのダンシングはお勧めしません。またブレーキの使用は厳禁です(回転するローラーの惰性で後方へ脱輪してしまいます)。

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