VERGO-Excel(バーゴ・エクセル)
自転車を安全に車載するためのベース
VERGO-Excelとは
車に自転車を搭載して移動するとき,通常はそのまま荷室に横たえたり壁にもたれさせたりしますが,それだと振動やコーナリング時の荷重移動により動いてしまい,内装を傷つけたり,自転車同士が当たって傷が付いたり部品が壊れたり,また他の荷物にダメージを与えることがあります。
また自転車が壊れたりしないかルームミラー越しに監視していなければならないため,安全運転の面からもふさわしくありません。
VERGO-Excelは,前輪を取り外した自転車を,荷室の床に置いたベースレールに装着されたフォークマウントに装着することで,すっきりと自立させ安全に運搬できるようにするための車載ベースです。
フォークマウントについて
フォークマウントはベースを上下に挟み込む形で取り付けられています。
ベースは左右対称の菱形断面のため,フォークマウントは前向き・後ろ向きのどちらにも取り付けることができます。
たとえばフォークマウントを互い違いに配列することで,前後長こそやや必要にはなりますが,自転車のハンドル同士の干渉を避けた密集レイアウトが可能になります。これにより他の荷物のためのスペースを確保しやすくなります。
またフォークマウントは20度刻みで角度を変えてセットすることができ,たとえば40度捻った状態だと,旧VERGOでは不可能だったドロップバー同士のハンドルの干渉を避けた密集配置もできるようになりました(従来はフラットバーのみが対象でした)。
VERGO-Excelには標準で2台分の9mmクイック仕様(100mmハブ幅)のフォークマウントが付属しています。
さらにオプションでもう1つ追加することで,最大3台までの自転車をすっきりと立たせることができます。
スルーアクスルへの対応
20mmおよび15mmスルーアクスル式のサスペンションフォークに関しては,それぞれの専用サイズのスルーアクスル用フォークマウントがオプションで用意されています。
標準のフォークマウントと入れ替えるか,あるいは追加して使用します。
旧型からの変更点
旧型VERGOからVERGO-Excelへの変更点
VERGO-Excelは,旧型同様ミニバンやワゴンの荷室の床に置くだけで自転車を立てて収納することができるスタンドです。車体にボルト止めしたり特別に加工する必要は一切ありません。
ベースレールは扁平な鉄パイプ製から菱形断面のアルミパイプ製に変更されました。
従来はベースレールの中心線上にフォークマウントを設置していたため,急発進や急ブレーキ時にはクイックを中心点にして前または後ろに転がってしまうという問題がありました。
この問題を防止するため,本体自体にある程度の重量を与えどっしりと座らせることが必要でしたが,VERGO-Excelでは構造を再設計しフォークマウントをベースレールから大きくオフセットさせたことにより,思い切った軽量化が可能となりました(4.3kg→2.1kg)。
軽量化することによるデメリット(高重心になることによる不安定さや,軽量化されたことによる剛性不足)は特に問題とはなっていません。逆に軽量化することで,取り扱いが楽になり,さらにわずかながら燃費の向上が期待できるようになります。
フォークマウントのクイックについて
あまりきつく締め込む必要はありません
VERGO-Excelのフォークマウントの機能は前フォークをがたつかないよう保持するだけであり,前フォークを回転させないよう固定するわけではありません。したがってクイックはそれほどきつく締め込む必要はありません。
クイックを強く締め付けすぎると,フォークマウント両端に取り付けてある赤い樹脂製のプラグがパイプ内に陥没してしまい,正常に前フォークを保持できなくなってしまいます。
逆に,フォークマウントの角度を調整する赤いノブボルトはしっかりと締め付けて使用してください。ノブが緩んでいると自転車の横揺れがひどくなり,自転車同士が当たったり,車の内装を傷つけたり,揺れる力で樹脂製エンドプラグを陥没させたりします。
サイズチェック方法
VERGO-Excelが使えるかどうかの寸法判断
車の荷室の天井高が低いと自転車が立てられません。
前輪を取り外した前フォークを床面から10cm持ち上げた状態での,床面から自転車の最も高い箇所(通常はサドル)の高さが,車の荷室の天井高よりも少ないことをまず確かめてください。
一部のステーションワゴンやミニバンではサドルを下げるか抜かないと入らない場合があります。
サドル高は個人の好みがはっきりと出るものです。シートポストを抜く場合には,あらかじめ設定高さの目印を付けておくといいでしょう。
なお弊社ではどの車種なら収まるかなどの情報は持ち合わせておりません。ご自身でお確かめください。
軽自動車への対応について
バーを120mmほどカットする必要があります
標準状態のVERGO-Excelは普通自動車への搭載を前提としたサイズとなっており,そのままでは軽自動車の荷室には入りません。車種にもよりますが,およそ120mmほどバーを短く詰めてやる必要があります(970mm→850mm)。
バーはアルミ製ですので,一般の金ノコで簡単に切断できます。もし金ノコをお持ちでない場合は,ホームセンターなどでカットを依頼することができる場合もあります(お店によります)。
バーの端にある赤い菱形の樹脂キャップは単に嵌め込んであるだけですので,カットした端材から抜き取って再びバーに装着しておいてください。
弊社での測定では,長さ850mmに詰めたバーでも,幅450mmのドロップバーを持つロードが2台,ハンドルを捻らずに並べて取り付けることができることを確認しています。取り外した前輪はオプションの前輪ホルダに取り付け,フレームとハンドル端との間に収めた状態です。
ただし車種によっては内装が出っ張っているために,ハンドルを捻らないと2台並べられない場合もありますのでご注意ください。
スペック
製品コード |
423-2300-00
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サイズ |
W 970 x D 185 x H 100 mm
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カラー |
シルバー
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材質 |
アルミ
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重量 |
2.1kg
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希望小売価格 |
13,900円(税込み)
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注意・制限事項
注意していただきたいこと
- VERGO-Excelに装着された自転車は車に固定されているわけではありません。急発進・急ブレーキ・急ハンドルなどラフな運転を行なうと,自転車がVERGO-Excelごとずれたり転倒することもあり怪我やトラブルの原因となります。できる限りタイダウンロープなどで自転車を車体に固定してお使いください。
- フォークマウントを捻った状態では,フォークのキャスター角の影響で車体がわずかに傾きます。その状態では本来の安定が確保できなくなりますので,フォークを捻った状態ではタイダウンロープの併用は必須です。
- 車種によっては後輪がシートバックに当たってしまい自転車が車内に収まらない場合もあります。後輪も外せば収まる場合は,オプションの「リアエンドサポート」をお使いください。
- リアゲートを閉じる際は,ハンドル先端やブレーキレバーなどがリアウィンドウに当たらないことを確認しながら,静かに閉めてください。VERGO-Excelを使用したことによる自動車などへの損害については,弊社はその責を負いません。
- VERGO-Excelに設置する自転車は,車の進行方向と同一線上にセットしてください(後ろ向きを推奨)。横向きでは安定が保証できません。
- フォークマウントはすべてハブ幅100mmの一般的な前フォークにしか対応しておりません。DAHONなどに採用されている75mmなど特殊なサイズの前フォークや,片持ち式フロントフォークには非対応です。
- フォークマウントの赤いノブボルトはしっかりと締め付けて使用してください。ノブが緩んでいると自転車の横揺れがひどくなり,自転車同士が当たったり,車の内装を傷つけたり,前フォーク受け部を破損させたりします。
- 前フォークを止めるクイックレリーズは強く締め込みすぎないでください。VERGO-Excelはあくまでも自転車を保持するだけであり,固定するわけではありません。いくらクイックレリーズを締め込んだとしても無意味ですし,かえってフォークマウントを壊してしまいます。クイックの締め込み過ぎによるフォークマウントの破損につきましては弊社はその責を負いかねます。
オプション
フロントホイールホルダ
取り外した前輪を取り付けておくためのアーム
リアエンドサポート2
後輪を取り外した際に,チェンリングが床に直接当たるのを防止するための脚
9mmフォークマウント(ハブ幅100mm)
標準で付属しているものと同じ9mmクイック用のフォークマウント
15mmフォークマウント(ハブ幅100mm)
15mmスルーアクスル用のフォークマウント
20mmフォークマウント(ハブ幅100mm)
20mmスルーアクスル用のフォークマウント
データダウンロード
樹脂ブッシュの陥没トラブルについて(各画像をクリックすると拡大します) |
自転車のぐらつきを止めるのはクイックではありません
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